ジャイミニ占星術入門

星占いを知りたい
先生、「ジャイミニ占星術」って普通の西洋占星術とはどう違うんですか?

西洋占星術研究家
良い質問だね。大きな違いは、星座の周期を使うことと、アスペクト(惑星同士の角度)の見方が違うこと、そして、物事を示す星が変わる場合があることだよ。

星占いを知りたい
星座の周期を使うってどういうことですか?普通の西洋占星術では星座はあまり使わないですよね?

西洋占星術研究家
そうだね、普通の西洋占星術では、生まれた時の惑星の配置を重視するよね。ジャイミニ占星術では、どの星座にどのくらいの期間いるかという周期を使って運勢を見るんだ。そこが大きな違いの一つだよ。
Jaimini Systemとは。
インド占星術の流派の一つである『ジャイミニ・システム』について。この流派は、星座の周期に基づいた運勢判断を重視し、星の影響範囲や意味づけも独特で、一般的なインド占星術とは異なる独自の解釈を用います。
概要

ジャイミニ占星術は、古くから伝わる西洋占星術とは異なる独自の理論体系を持つ占星術です。星々の配置から人の運命や性格を読み解くという点では共通していますが、用いる技法や解釈の方法に大きな違いがあります。
まず、西洋占星術では月の星座を基にした惑星の周期(ダシャー)を用いるのに対し、ジャイミニ占星術では太陽星座を基にしたダシャーを用いる点が大きな特徴です。これは、月の満ち欠けに基づく周期ではなく、太陽の運行に基づく周期で運命を判断するということです。
また、惑星の角度や支配星、ハウスと呼ばれる天球の区分といった要素の解釈も独特です。これらの要素は西洋占星術でも重要な役割を果たしますが、ジャイミニ占星術では異なる意味合いを持つ場合があり、同じ星の配置でも異なる解釈がされることがあります。そのため、西洋占星術とは異なる結果を導き出すことも珍しくありません。
ジャイミニ占星術は、人生における出来事の時期や性質を予測するために用いられます。特に人生の転換期や重要な時期、例えば結婚や転職、病気など、人生における大きな変化の時期を特定するのに役立つと考えられています。
さらに、個人の才能や秘めた力、過去からの影響といったものも理解する手がかりになるとされています。自分自身の強みや弱み、そして運命の輪郭を理解することで、より良い人生を送るための指針を得られる可能性があります。
ただし、ジャイミニ占星術は複雑な計算と深い解釈が必要とされるため、学ぶには時間と努力が必要です。複雑な計算を理解し、記号を読み解くには、専門的な知識と経験が求められます。
近年、西洋占星術とは異なる視点から人生を分析できるという点で、ジャイミニ占星術は注目を集めています。西洋占星術では得られない新たな気づきや視点を得られるかもしれません。
| 項目 | 西洋占星術 | ジャイミニ占星術 |
|---|---|---|
| ダシャー(惑星の周期) | 月の星座に基づく | 太陽星座に基づく |
| 惑星の角度、支配星、ハウス | 重要な要素 | 重要な要素だが、解釈が異なる |
| 解釈 | – | 同じ星の配置でも異なる解釈 |
| 結果 | – | 西洋占星術とは異なる結果 |
| 予測 | – | 人生の転換期や重要な時期の特定 |
| その他 | – | 個人の才能や秘めた力、過去からの影響の理解 |
ラーシ・ダシャー

ジャイミニ占星術の中核を成すラーシ・ダシャーは、惑星の運行周期に基づいた独自のものです。よく知られているヴィムショッタリ・ダシャーとは異なり、ラーシ・ダシャーは生まれた時の月の星座を基に計算されます。各星座には特定の惑星が割り当てられており、その星座の支配星が特定の期間、人の人生に影響を与えると考えられています。この惑星の支配期間の長さは一定ではなく、星座によって異なります。
ラーシ・ダシャーは、人生における様々な出来事の時期を示唆する羅針盤のような役割を果たします。人生における浮き沈みや転換期、喜びや試練など、様々な局面の訪れを予期する手がかりとなります。この周期を理解することで、人生の大きな転換期や重要な時期を予測し、心構えをすることが可能になります。例えば、結婚や出産、転職、昇進など、人生の節目となる出来事を予測するのに役立ちます。
さらに、ラーシ・ダシャーは個人の成長や変化の過程を理解する上でも重要な役割を果たします。各星座の支配星の性質を理解することで、その期間における課題や好機を把握し、より効果的な行動をとることができます。例えば、特定のラーシ・ダシャーの期間は、学習や自己啓発に適しているとされ、その時期に新たな知識や技能を習得することで、大きな成長を遂げることが期待できます。また、仕事運や金運、恋愛運など、様々な運勢の動向を予測するのにも役立ち、人生の様々な局面でより良い選択をするための指針となります。
ジャイミニ占星術では、このラーシ・ダシャーの分析が未来予測の重要な鍵となります。ラーシ・ダシャーは単なる占いではなく、人生の航海図と言えるでしょう。人生の波に乗り、より充実した人生を送るために、ラーシ・ダシャーの知識は大きな助けとなるはずです。
| ラーシ・ダシャーの特徴 | 詳細 |
|---|---|
| 計算方法 | 月の星座に基づいて計算 |
| 支配星 | 各星座に特定の惑星が割り当てられ、その星座の支配星が特定期間人生に影響 |
| 支配期間 | 星座によって異なる |
| 役割 | 人生における出来事の時期を示唆する羅針盤 |
| 予測可能な出来事 | 結婚、出産、転職、昇進などの人生の節目、運勢の動向(仕事運、金運、恋愛運など) |
| その他 | 個人の成長や変化の過程を理解するのに役立つ、人生の航海図 |
アスペクト

星の配置、つまり星同士の角度は、インド占星術において大変重要です。西洋の伝統的な星占いとは違う独自の角度の体系があり、星々の関係や影響を判断する上で大きな役割を果たします。インド占星術では、特定の度数差で位置する星同士に特別なつながりがあるとされ、良いことと悪いことの両方をもたらすと考えられています。これらの角度は、人の性格や才能、人間関係、人生の出来事などを理解する上で大切な手がかりとなります。
例えば、太陽と月が0度の角度にある場合、新しい始まりを意味し、エネルギーに満ち溢れた状態を表します。太陽と火星が90度の角度にある場合は、衝突や葛藤を表し、情熱的ながらも衝動的な行動に注意が必要となるでしょう。反対に、太陽と木星が120度の角度にある場合は、幸運や発展を表し、物事が順調に進む暗示となります。このように、星々の角度によって様々な意味合いを持つのです。
角度を分析することで、隠れた才能や潜在能力を発見したり、困難な状況を乗り越える方法を見つけることができると考えられています。自分自身をよく理解するためにも、星々の角度に注目してみる価値はあるでしょう。インド占星術の星同士の角度は複雑で奥深い体系であり、それを理解することは正確な占いを立てる上で欠かせません。星々の位置関係を読み解くことで、より豊かな人生を送るためのヒントを得ることができるでしょう。
| 惑星の角度 | 意味 |
|---|---|
| 太陽と月が0度 | 新しい始まり、エネルギーに満ち溢れた状態 |
| 太陽と火星が90度 | 衝突や葛藤、情熱的ながらも衝動的な行動に注意 |
| 太陽と木星が120度 | 幸運や発展、物事が順調に進む |
特定の事柄を示すもの

ジャイミニ占星術では、物事の示し手となる惑星、カラカが重要な役割を担います。カラカは、人の魂、財産、結婚、子供といった人生における様々な側面を象徴する特別な星です。これらの星の配置や状態によって、それぞれの側面における運気や方向性を読み解くことができます。
カラカは、よく知られている西洋占星術における支配星とは異なる考え方です。支配星は星座に紐づいているのに対し、カラカは個人の星の配置図、つまりホロスコープに基づいて決定される点が大きな違いです。どの星がどのカラカに対応するかは、ホロスコープによって変化するため、一人ひとりの分析が必要です。例えば、ある人の財産を示すカラカが金星である一方、別の人では木星がその役割を担うといった具合です。
カラカを理解することで、自分の人生における重要なテーマや課題、そして秘めた可能性をより深く理解できるようになります。魂のカラカが示すものは、その人の心の奥底にある欲求や霊的な成長の方向性を示唆します。財産のカラカは、金銭的な豊かさだけでなく、物質的な価値観や所有欲についても示唆を与えてくれます。結婚のカラカからは、結婚生活やパートナーとの関係性について、子供のカラカからは、子供との関わり方や子育てにおける課題が見えてきます。
このように、カラカは、自分自身を理解し、より良い人生を築くための貴重な道標となるのです。自分自身のカラカを知ることで、自分の強みや弱み、そして人生における目的をより明確に捉えることができるようになります。これは、日々の生活における選択や決断をより良いものにし、より充実した人生へと導いてくれるでしょう。
| カラカ | 役割 | 詳細 |
|---|---|---|
| 魂のカラカ | 人の魂を象徴 | 心の奥底にある欲求や霊的な成長の方向性を示唆 |
| 財産のカラカ | 財産を象徴 | 金銭的な豊かさだけでなく、物質的な価値観や所有欲についても示唆 |
| 結婚のカラカ | 結婚を象徴 | 結婚生活やパートナーとの関係性を示唆 |
| 子供のカラカ | 子供を象徴 | 子供との関わり方や子育てにおける課題を示唆 |
チャラ・カラカ

ジャイミニ占星術は、西洋占星術とは異なる独自の体系を持つインド占星術の一派です。その中で重要な役割を果たすのが、チャラ・カラカと呼ばれる概念です。チャラ・カラカとは、惑星の位置によって変化する象徴であり、その人の人生における様々な役割やテーマを示唆します。一般的な西洋占星術では、惑星はそれぞれ固有の意味を持ちますが、ジャイミニ占星術では、惑星の度数に基づいて、それぞれの惑星に特定の役割が割り当てられます。
各惑星は、その人のホロスコープにおいて、度数の高い順に特定のカラカに割り当てられます。最も度数の高い惑星はアトマ・カラカと呼ばれ、その人の魂、本質、自己意識を表します。これは、その人が何者であり、何を大切にするかを示す重要な指標となります。次に度数の高い惑星はアマティヤ・カラカと呼ばれ、職業、キャリア、社会的地位などを表します。このカラカは、その人がどのような仕事で成功を収める可能性があるか、どのような社会的な役割を果たすかを示唆します。三番目に度数の高い惑星はバラトリ・カラカと呼ばれ、兄弟姉妹、友人、仲間などの人間関係や、趣味、娯楽などを表します。人生における楽しみや喜び、そして周囲の人々との関わり方を示す重要なカラカです。
このように、各惑星は特定のカラカとなり、人生の様々な側面を象徴します。これらのカラカは固定されたものではなく、個人のホロスコープによって変化するため、一人ひとりの人生の設計図を読み解く鍵となります。チャラ・カラカを分析することで、その人の才能や潜在能力、そして人生における課題や目的をより深く理解することが可能になります。また、それぞれのカラカがどの星座やハウスに位置しているかによって、その意味合いはさらに深まります。これらの要素を総合的に判断することで、より精緻な人生の指針を得ることができるのです。
| カラカ | 意味 |
|---|---|
| アトマ・カラカ | 魂、本質、自己意識 |
| アマティヤ・カラカ | 職業、キャリア、社会的地位 |
| バラトリ・カラカ | 兄弟姉妹、友人、仲間などの人間関係、趣味、娯楽 |
| … | … |
補足
- チャラ・カラカは惑星の位置(度数)によって変化する。
- 各惑星はホロスコープ上で度数の高い順にカラカに割り当てられる。
- どの星座やハウスに位置しているかで意味合いが深まる。
古典西洋占星術との違い

西洋で古くから伝わる星占い、いわゆる古典西洋占星術と、インド占星術の一派であるジャイミニ占星術。どちらも星の配置から人の運命や性格を読み解こうとするものですが、両者にはいくつか違いがあります。中でも特に顕著な違いは運勢の時期を読む上での計算方法です。
古典西洋占星術では、月の位置する星座に基づいて運勢の時期を割り出します。これはナクシャトラ・ダシャーと呼ばれ、月の運行を重視した考え方です。一方、ジャイミニ占星術では、太陽の黄道上の位置、つまり星座に基づいて運勢の時期を計算します。これはラーシ・ダシャーと呼ばれ、太陽の運行に重きを置いていることが分かります。
また、惑星同士の相互作用を見る視点も異なります。惑星同士が特定の角度を成す時、互いに影響を与えると考えますが、この角度の種類や影響範囲は、それぞれの占星術で独自に定義されています。ジャイミニ占星術では、古典西洋占星術には見られない特殊な角度を用いており、結果として惑星間の関係性が異なって解釈されるのです。
さらに、惑星が持つ意味合いを示すカラカという概念も、ジャイミニ占星術の特徴です。古典西洋占星術では、惑星それぞれが特定の星座を守護する「支配星」という役割を持ちますが、ジャイミニ占星術のカラカは、支配星とは異なる役割を担います。例えば、ある惑星は人生における仕事や結婚などを象徴する役割を担うなど、人生の特定のテーマに結びつけられて解釈されます。
このように、同じ生年月日の人の運勢を占ったとしても、古典西洋占星術とジャイミニ占星術では異なる結果が導き出されることがあります。これは、どちらが良い悪いではなく、それぞれの占星術が持つ独自の視点や解釈方法の違いによるものです。どちらの占星術も、長い歴史の中で培われてきた知恵の結晶です。それぞれの違いを理解し、両方の視点から物事を見ることで、より深く自分自身や人生を理解する手がかりとなるでしょう。
| 項目 | 古典西洋占星術 | ジャイミニ占星術 |
|---|---|---|
| 運勢を読む計算方法 | 月の位置する星座に基づく(ナクシャトラ・ダシャー) | 太陽の黄道上の位置に基づく(ラーシ・ダシャー) |
| 惑星同士の相互作用 | 特定の角度を成す惑星同士が影響 | 特殊な角度を用いて惑星間の関係性を解釈 |
| 惑星の持つ意味 | 惑星が特定の星座を守護する「支配星」 | 惑星が人生の特定のテーマを象徴する「カラカ」 |
| 結果 | 同じ生年月日でも異なる結果になることがある | 同じ生年月日でも異なる結果になることがある |
