相互受容:惑星同士の温かいおもてなし

星占いを知りたい
先生、「西洋占星術」の用語で「reception」って書いてあるんですけど、これってどういう意味ですか?「相互受容を見よ」とも書いてあります。

西洋占星術研究家
なるほど。「reception」は日本語で「受容」と訳されますが、西洋占星術では、惑星が他の惑星の支配する星座に位置することを指します。例えば、金星が牡羊座にある時、金星は火星(牡羊座の支配星)の「reception」を受けている、と言います。つまり、火星に迎え入れられている、もてなされている、という意味合いですね。

星占いを知りたい
なるほど、惑星がお互いの星座に位置し合う関係は「相互受容」ということですね。では、「reception」単体では、相互の関係ではなく、片方向のもてなしということですか?

西洋占星術研究家
その通りです。「相互受容」は「mutual reception」と言います。「reception」単体では、一方向のもてなしを指します。片方の惑星が、もう片方の惑星の支配する星座にいる状態のことですね。
receptionとは。
西洋の星占いには『レセプション』という言葉があります。これは『相互接待』を短くした言い方で、詳しくは『相互接待』の項目を見てください。
惑星のお宿

星空の世界では、それぞれの星々が特定の星座を守護する役目を担っています。これはまるで、星々がそれぞれの星座というお宿に滞在しているかのようです。この関係を西洋占星術では「支配星(ルーラーシップ)」または「居場所(ドミサイル)」と呼びます。星は自分の守る星座に滞在している時、まるで我が家のようにくつろぎ、本来の輝きを最大限に発揮することができます。まるで自分の得意分野で実力を存分に発揮する人のようです。
例えば、情熱と行動の星である火星は、牡羊座とおうし座の守護星です。牡羊座は、新しいことに挑戦する勇気と行動力を象徴する星座です。火星が牡羊座に滞在する時は、その情熱と行動力はさらに高まり、新しい計画を始めるのに最適な時期となります。一方、おうし座は物事をじっくりと進め、安定を求める星座です。火星がここに滞在すると、そのエネルギーは持続力と忍耐力へと変化し、地道な努力を続けるのに適した時期となります。
反対に、星が自分の守る星座と反対の性質を持つ星座に位置する場合は、その力は弱まり、本来の輝きを放ちにくくなります。これは、慣れない環境で実力を発揮できない人のようです。例えば、コミュニケーションの星である水星が、深い感情と直感を象徴する蠍座に滞在する時は、水星の持つ軽やかで知的なコミュニケーション能力は制限され、言葉を選ぶのに苦労したり、誤解が生じやすくなったりします。
このように、それぞれの星がどの星座を守護しているのか、そして現在どの星座に滞在しているのかを理解することは、星空の地図であるホロスコープを読み解く上で非常に重要な鍵となります。それぞれの星の持つ本来の力と、星座の持つ性質を組み合わせることで、より深く星からのメッセージを読み解き、自分自身や周りの人々を理解する助けとなるでしょう。
| 惑星 | 守護星座(ドミサイル) | 守護星座での影響 | 反対性質の星座での影響 |
|---|---|---|---|
| 火星 | 牡羊座、おうし座 | 情熱、行動力、持続力、忍耐力 | – |
| 水星 | – | – | 蠍座(深い感情と直感)でのコミュニケーション能力の制限、誤解 |
相互受容の仕組み

では、相互受容とはどのような現象でしょうか。簡単に言うと、二つの天体が互いの本来の居場所を交換している状態です。それぞれの天体には、最も力を発揮しやすい星座、いわば「我が家」のような場所があります。これを守護星座と言います。例えば、情熱と行動力を象徴する火星は、おひつじ座を守護星座としています。また、愛と美を象徴する金星はおうし座を守護星座としています。
具体的な例を見てみましょう。火星がおうし座に位置し、金星がおひつじ座に位置しているとします。本来、火星はおひつじ座の守護星であり、金星はおうし座の守護星です。つまり、火星は金星の「我が家」であるおうし座に滞在し、金星は火星の「我が家」であるおひつじ座に滞在していることになります。これが相互受容です。まるで交換留学のように、二つの天体は互いのエネルギーや影響力を交換し合うのです。
この相互受容は、天体本来の力を発揮しにくい配置にある場合でも、お互いを助け合い、力を補完し合う関係を築きます。例えば、火星がおうし座にあると、本来の行動力や積極性が発揮されにくく、ゆったりとしたペースになりがちです。一方、金星がおひつじ座にあると、本来の穏やかさや協調性が薄れ、やや自己中心的になりがちです。しかし、相互受容の関係にあれば、火星はおうし座でのんびりしながらも金星の力添えで行動を起こすきっかけをつかみ、金星はおひつじ座で多少自己主張が強くなっても火星の力添えで周囲との調和を保てるといった具合に、お互いの短所を補い、長所を引き出し合うことができるのです。

受容の恩恵

人と人との関わり合いのように、星と星も互いに影響を与え合います。その中で「受容」と呼ばれる繋がりは、まるで持ちつ持たれつの助け合いのようなものです。直接的な働きかけではありませんが、穏やかに、しかし確実に星同士の力を高め合うのです。
例えば、ある星が本来の力を発揮しづらい位置にあるとします。これは、人にとって苦手な環境にいるようなものです。しかし、その星が別の星と受容の関係にあれば、まるで応援してくれる仲間がいるかのように、力を発揮しやすくなります。苦手な環境でも、仲間の支えがあれば乗り越えられるように、星も力を得て輝くことができるのです。
この受容の影響は、困難な状況を乗り越えるための力となります。目の前に壁が立ちはだかったとしても、受容によって得た力は、それを乗り越えるための勇気や知恵を与えてくれるでしょう。
さらに、受容は新たな可能性も生み出します。それぞれの星が持つ性質が融合し、今までになかった力を発揮することができるのです。これは、異なる分野の専門家が協力して新たな発明を生み出すようなものです。それぞれの星が持つ力を掛け合わせることで、より大きな成果を上げることができるのです。まるで、一人では登れない険しい山も、仲間と力を合わせれば登頂できるようなものです。受容は、星同士を結びつけ、より高みへと導く力を持っていると言えるでしょう。
| 関係性 | 概要 | 効果 | 例え |
|---|---|---|---|
| 受容 | 持ちつ持たれつの助け合い。穏やかに星同士の力を高め合う。 | 困難な状況を乗り越える力(勇気や知恵) 新たな可能性(より大きな成果) |
苦手な環境でも仲間の応援で力を発揮 異なる専門家の協力で新たな発明 仲間と協力して険しい山に登頂 |
受容の種類

{星同士が互いの居場所を貸し借りするように影響し合うことを、西洋占星術では『相互受容』と呼びます。この相互受容には、いくつかの種類があり、その影響力はそれぞれ異なります。最も強い影響力を持つのは、それぞれの星が互いの守護する星座の本来の位置にある場合です。例えるなら、それぞれの星が自分の家にいるようなもので、本来の力を存分に発揮できる状態です。この状態での相互受容は、星同士のエネルギーがスムーズに流れ、非常に良好な関係性を築きます。
また、星が互いの『高揚』の星座に位置する場合も、強い相互受容が生まれます。『高揚』とは、星が最も輝きを増し、力を発揮しやすい星座のことです。まるで舞台役者が最高の舞台で演技をするように、星は高揚の星座でその能力を最大限に引き出します。高揚の星座での相互受容は、星同士の才能を刺激し合い、互いを高め合う関係を築きます。
一方、星が互いの『衰退』や『落下』の星座に位置する場合、相互受容の効果は弱まります。『衰退』や『落下』とは、星本来の力が発揮しにくい星座のことです。例えるなら、アウェーの地に放り出されたようなもので、本来の力を発揮することが難しくなります。衰退や落下の星座での相互受容は、星同士のエネルギーが阻害され、関係が不安定になりやすいです。
このように、相互受容の強さは、星が位置する星座によって大きく変化します。それぞれの星座の持つ意味や、星との相性によって、相互受容は建設的な影響を与えることもあれば、困難をもたらすこともあります。星同士の関係性を深く理解するためには、相互受容の種類を見極めることが重要です。
| 相互受容の種類 | 星の位置 | 影響力 | 関係性 |
|---|---|---|---|
| 最強 | 互いの守護星座(本来の位置) | 非常に強い | スムーズ、良好 |
| 強い | 互いの高揚の星座 | 強い | 互いを高め合う |
| 弱い | 互いの衰退/落下の星座 | 弱い | 不安定 |
読み解きの鍵

星々の配置を読み解く鍵となる相互受容。これは、二つの星がお互いの本来の場所を交換している状態を指します。この特別な配置は、星々が持つ力を融合させ、新たな力を生み出すとされています。
この相互受容を正しく理解するには、それぞれの星の持つ性質と、星々が位置する星座の意味を深く掘り下げる必要があります。例えば、情熱や行動力を司る星である火星と、愛や美を司る星である金星が相互受容の場合を考えてみましょう。これらの星は、本来ならば互いに異なる力を持ちますが、相互受容によってその力が混ざり合い、情熱と愛情の融合、あるいは積極的な行動と美的感覚の調和といった、新たな力を示す可能性があります。これは、まるで二人の役者がお互いの役柄を演じ、新たな物語を紡ぎ出すようなものです。
さらに、相互受容している星々が、他の星々と特別な角度を形成している場合、その影響も考慮に入れなければなりません。例えば、相互受容している星々に、幸運や拡大を象徴する星が良い角度で関わっている場合は、その幸運がさらに増幅されるでしょう。反対に、試練や困難を象徴する星が悪い角度で関わっている場合は、その影響を和らげる働きがあるかもしれません。
このように相互受容は、星々の配置図を読み解く上で非常に重要な要素です。星々の持つ力を理解し、相互受容という特別な関係性を読み解くことで、より深く自分自身や他者を理解する手がかりとなるでしょう。まるで複雑に絡み合った糸を一つ一つ丁寧に解きほぐしていくように、相互受容の理解は、星々の物語をより豊かに、より深く読み解く鍵となるのです。
まとめ

人と人との繋がりと同じように、星と星もまた、互いに影響を与え合っています。その中で、「相互受容」と呼ばれる特別な関係があります。これは、二つの惑星が、本来の居場所である星座を交換している状態を指します。例えば、ある人の星占いで、金星がおひつじ座に、火星がてんびん座にあるとします。本来、金星はてんびん座、火星はおひつじ座の守護星です。つまり、この人のホロスコープでは、金星と火星が本来の星座を交換し、お互いの家に入り込んでいる状態、すなわち相互受容となっているのです。
相互受容は、惑星同士がまるで支え合い、力を貸し合うような配置です。直接的な影響を与えるものではありませんが、星を読む上で重要な意味を持ちます。二つの惑星は、本来とは異なる環境に身を置きながらも、お互いの力を借りて本来の力を発揮しようとするからです。先ほどの例で言えば、おひつじ座の金星は、本来の穏やかさとは異なる、情熱的で行動的な面が強調されます。一方で、てんびん座の火星は、本来の攻撃性を抑え、調和と協調を重んじるようになります。一見するとちぐはぐな組み合わせですが、相互受容によって、それぞれの惑星が新たな側面を輝かせる可能性を秘めているのです。
ホロスコープ全体を理解するためには、惑星同士の関係性や星座の持つ意味に加え、他の惑星との位置関係も合わせて考える必要があります。相互受容は単独で判断するのではなく、ホロスコープ全体を俯瞰して捉えることが重要です。そうすることで、相互受容が持つ真の意味を理解し、人生の道しるべとして活かすことができるでしょう。たとえ困難な状況に直面しても、相互受容は希望の光となるかもしれません。星々の織りなす複雑な関係性を読み解くことで、自分自身の可能性をより深く理解し、より豊かな人生を送ることができるでしょう。
