技法 出生前の時代:エポック
人はこの世に生を受けるその瞬間の空模様、つまり星の配置によって運命づけられているという考えは、古くから受け継がれてきました。その空模様を示したものがホロスコープであり、正確な出生日時をもとに作成されます。しかし、出生時間が不明瞭な場合、正確なホロスコープを描くことは困難です。そこで用いられるのが、「出生前エポック」という手法です。エポックとは、おおよそ妊娠期間に相当する約10か月前の月の位置を手がかりに、出生時のホロスコープを調整する方法です。出生図において重要なポイントとなるアセンダント(上昇点)またはディセンダント(下降点)を、このエポックを使って算出します。アセンダントとは、生まれた瞬間に東の地平線上に昇っていた星座のことで、その人の性格や人生観に大きな影響を与えると考えられています。一方、ディセンダントはアセンダントのちょうど反対側に位置する点で、対人関係などを示すとされています。エポックを用いることで、出生時間がわからなくても、より正確なアセンダントやディセンダントを導き出すことが可能になります。これは、十月十日という胎内で過ごす期間を通して、母体と密接につながる胎児が、月の運行と呼応しているという考え方に基づいています。母と子の神秘的なつながりが、月の運行という天体の動きと連動することで、出生前の月の位置が出生時のホロスコープに反映されると考えられているのです。出生時間が正確にわからない、あるいは出生記録に疑いがある場合、エポックはホロスコープ作成における有効なツールとなります。出生前エポックを用いることで、より正確な出生図を描くことが可能となり、その人の持って生まれた性質や運命をより深く理解する手がかりとなるでしょう。
