惑星 宵の明星:金星ヘスペルス
夜空に輝く星々の中で、月を除けば最も明るく見えるのが金星です。地球にもっとも近い惑星であることから、宵の明星、明けの明星といった呼び名で親しまれてきました。地球と大きさや密度が似ているため、「姉妹惑星」と呼ばれることもありますが、その環境は全く異なる灼熱の世界です。金星は、厚い雲に覆われています。この雲は、太陽光を効率よく反射するため、金星は明るく輝いて見えます。しかし、この雲は同時に熱を閉じ込める効果も持ち、温室効果をもたらしています。大気の主成分である二酸化炭素が、この温室効果をさらに強めています。その結果、地表の温度は摂氏460度にも達する高温となっています。鉛も溶けるほどの高温のため、生物が存在することは不可能と考えられています。金星の自転は非常にゆっくりで、地球の自転方向とは逆向きです。そのため、金星では太陽は西から昇り、東に沈みます。また、自転軸がほぼ完全に傾いているため、季節の変化もほとんどありません。金星の表面は、火山活動によって形成されたと考えられる起伏の激しい地形が広がっており、探査機による観測でその様子が徐々に明らかになってきました。地球とよく似た惑星でありながら、全く異なる環境を持つ金星。その謎を解き明かすべく、現在も様々な研究が進められています。
