天文学 地球に最接近!月の近地点とは?
月は私たちの地球の周りを、まるで糸で繋いだように回っています。しかし、その通り道は正円ではなく、少しゆがんだ楕円形を描いています。そのため、地球と月の距離は常に一定ではなく、近づいたり遠ざかったりしています。地球に最も近づく地点を「近地点」と言います。反対に最も遠ざかる地点は「遠地点」です。地球から月までの平均距離は約38万4400キロメートルです。近地点では約36万キロメートルまで近づき、遠地点では約40万キロメートルまで遠ざかります。その差は実に数万キロメートルにも及びます。この距離の違いが、夜空に浮かぶ月の大きさに変化をもたらします。近地点では月は大きく輝き、遠地点では小さく見えます。まるで月の表情が変わるように、その姿は日々変化していくのです。月の満ち欠けだけでなく、地球と月の距離の変化は、潮の満ち引きにも影響を与えています。潮の満ち引きは、主に月の引力によって引き起こされます。近地点では月が地球に近いため、引力が強くなり、海面が大きく引っ張られます。そのため、満潮と干潮の差が大きくなり、海は大潮を迎えます。反対に遠地点では月の引力が弱まり、満潮と干潮の差は小さくなります。これは小潮と呼ばれています。このように、月は私たちの地球に様々な影響を与え、自然界のリズムを刻んでいるのです。
