占星術の人物 レギオモンタヌスハウス分割法
生まれた時の空模様を写し取ったものが生まれた時の空の図、すなわち出生天宮図です。この図は人の性質や運命を読み解くための大切な手がかりとなります。出生天宮図を作る際には、空全体を12の区画に分けます。この区画をハウスと呼び、それぞれが人生における様々な分野を象徴しています。ハウスの分け方には様々な流儀がありますが、その一つにレギオモンタヌスハウス分割法と呼ばれるものがあります。この分割法は、十五世紀のドイツの占星術師、ヨハネス・ミュラー・フォン・ケーニックスベルク、通称レギオモンタヌスによって編み出されました。レギオモンタヌスは、天球を均等に分割することでハウスを割り出す方法を考案しました。これは、それ以前に主流であったプラキドゥスハウス分割法に比べて計算が容易であるという利点がありました。プラキドゥスハウス分割法は複雑な計算が必要で、特に高緯度地域では計算が困難になる場合もありました。レギオモンタヌスハウス分割法は計算が簡素化されているため、北半球の高緯度地域で広く使われました。レギオモンタヌスハウス分割法の画期的な点は、天球を数学的に等分割するという考え方を取り入れたことです。これは、天体の位置関係をより正確に反映させることを目指した結果でした。しかし、この方法にも弱点がありました。それは、地平線の下にあるハウス、つまり夜側のハウスの大きさが不均等になる場合があるということです。特に高緯度地域ではこの傾向が顕著でした。現代では、コンピューター技術の発達により、様々なハウス分割法を容易に計算することが可能になりました。プラキドゥスハウス分割法も手軽に利用できるようになり、再び主流となっています。とはいえ、レギオモンタヌスハウス分割法は、占星術の歴史において重要な役割を果たしたハウス分割法として、今もなおその名を残しています。計算の簡素化によって占星術の普及に貢献したという点で、歴史的に大きな意義を持つハウス分割法と言えるでしょう。
