デカン

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星の位置

西洋占星術におけるフェース

遠い昔、星々の動きを読み解き、人の運命や世の移り変わりを予測する占星術が盛んに行われていました。その中で、「フェース」という考え方が、天体の配置を理解する上で重要な役割を担っていました。この「フェース」という言葉は、有名な天文学者であり占星術師でもあるプトレマイオスによって用いられました。プトレマイオスは、夜空に輝く月を基準にして、左側に位置する部屋、もしくは太陽を基準にして右側にある部屋に惑星がある時、その惑星は「フェース」にあると定義しました。さらに、それぞれの惑星には本来の居場所となる星座があり、その星座と同じ番号の部屋に惑星が入る場合も「フェース」とみなされました。例えば、牡羊座を本来の居場所とする火星が、最初の部屋に入室した場合、火星は自らの「フェース」にあると言えます。この状態は、惑星が持つ力が最も発揮されやすい状態だと考えられていました。「フェース」にある惑星は、その影響力が強まり、人の運命や性格に大きな影響を与えると信じられていたのです。古代の占星術師たちは、こうした天体の細かい配置や惑星の状態を丹念に観察し、その意味を解き明かすことで、未来を予測したり、人の個性や運命を占ったりしていました。現代の占星術とは異なる部分もありますが、天体の動きを理解し、人の運命を読み解こうとする姿勢は、今も昔も変わりません。「フェース」という概念は、複雑な要素が絡み合う古代占星術において、重要な役割を果たしていたと言えるでしょう。
技法

サインの3分割:デカン

人は皆、生まれた時に太陽が位置する星座によって性格や運命がある程度決まると考えられています。これを西洋占星術では黄道十二宮と呼び、全部で十二種類あります。それぞれの星座は30度ずつに分けられていますが、さらに細かく10度ずつ、三つの区画に分けることができます。この10度ずつの区画をデカン、またはデカネートと呼びます。例えば、おひつじ座生まれの人は、おひつじ座の最初の10度に太陽がある人、次の10度に太陽がある人、最後の10度に太陽がある人、と三つのグループに分けることができます。同じおひつじ座でも、どのデカンに太陽があるかによって、性格や運命に微妙な違いが出てくるとされています。それぞれの星座には、それを支配する惑星が割り当てられています。例えば、おひつじ座は火星、おうし座は金星といった具合です。デカンにも同様に、副支配星と呼ばれる惑星が割り当てられています。おひつじ座の最初のデカンは火星、次のデカンは太陽、最後のデカンは木星が副支配星となります。このように、星座の支配星とデカンの副支配星の組み合わせによって、より詳しい性格や運命を読み解くことができると考えられています。例えば、おひつじ座生まれで、太陽が最初のデカンにある人は、火星の影響を強く受けるため、行動力があり、情熱的で、リーダーシップを発揮しやすいでしょう。一方、太陽が最後のデカンにある人は、木星の影響も受けるため、楽観的で、寛大で、幸運に恵まれやすい傾向があるでしょう。このように、デカンは、生まれた時の惑星の配置を分析する上で、より深い洞察を与えてくれる重要な要素となります。同じ星座でも、どのデカンに惑星があるかによって、その影響や現れ方が微妙に変わることを理解することで、自分自身や他の人々をより深く理解することに繋がると言えるでしょう。
星の位置

デカン:星座の3つの顔

西洋占星術では、人は生まれた時の惑星の配置によって、性格や運命がある程度決められていると考えられています。生まれた時に太陽が位置していた星座を「太陽星座」と呼びますが、同じ星座でも、人によって性格が微妙に異なるのはなぜでしょうか。その理由の一つとして、「デカン」という考え方があります。デカンとは、それぞれの星座をさらに3つの区間に分けたものです。星座はそれぞれ30度ずつ空の領域を占めています。この30度を10度ずつ、3等分したものがデカンです。つまり、1つの星座の中に3つのデカンが存在することになります。例えば、牡羊座生まれの人は、一般的に活動的で情熱的だと言われています。しかし、牡羊座の最初のデカン(牡羊座0度~9度)に太陽がある人は、純粋な牡羊座的性質が強く、先駆者としての気質が特に際立ちます。2番目のデカン(牡羊座10度~19度)に太陽がある人は、獅子座的な性質も加わり、リーダーシップや創造性が発揮されやすくなります。3番目のデカン(牡羊座20度~29度)に太陽がある人は、射手座の影響を受けて、自由を愛し、冒険心に富んだ性格となるでしょう。このように、同じ星座でも、どのデカンに太陽があるかによって、性格や運命に違いが出てくるのです。デカンは、太陽星座だけでなく、月やその他の惑星にも適用されます。自分の出生図を確認し、それぞれの惑星のデカンを調べることで、より深く自分自身や他人を理解する手がかりとなります。占星術を学ぶ上で、デカンは基本でありながら、奥深い要素なのです。
技法

デカン:星座の深層

西洋占星術では、空を12の星座に分け、人の生まれ持った性質や運命を読み解きます。それぞれの星座は30度ずつで構成されていますが、これをさらに10度ずつ、3つの区間に分割したものを「デカン」と呼びます。この「デカン」という言葉は、ラテン語で「十」を表す「デカヌス」に由来しています。黄道十二宮と呼ばれる12の星座には、それぞれ守護星と呼ばれる支配する惑星が割り当てられています。例えば、牡羊座の守護星は火星、牡牛座の守護星は金星といった具合です。これらの守護星は、それぞれの星座の基本的な性質に大きな影響を与えます。しかし、同じ星座に生まれた人でも、性格や運命は微妙に異なります。これは、デカンがそれぞれ異なる惑星の力を受けているためです。各星座の最初の10度は、その星座の守護星の支配を受け、次の10度は、同じ元素を持つ次の星座の守護星の支配を受け、最後の10度は、さらに次の星座の守護星の支配を受けると考えられています。太陽は約30日で一つの星座を移動し、約10日で一つのデカンを通過します。この10日という周期は、古代エジプトで使われていた10日間の週の概念と深い関わりがあるとされています。古代エジプト人は天体の動きを注意深く観察し、10日ごとに異なる神々が空を支配すると信じていました。デカンは、星座の基本的な特徴をより細かく見ていくための重要な要素です。同じ星座でも、生まれた日がどのデカンに属するかによって、性格や運命に違いが現れると考えられています。西洋占星術では、このデカンを用いることで、より深く個人を理解し、その人の秘めた可能性や課題を探ることができるのです。
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