技法 カクシャ:サインの8分割
カクシャとは、西洋占星術で使われる星座の分割方法の一つです。星座は、黄道と呼ばれる太陽の通り道を12等分した30度ずつの区画で、通常、牡羊座から魚座までの12星座を指します。この30度をさらに8等分した、約3度45分ずつの区画がカクシャです。それぞれのカクシャは、惑星と結びついています。具体的には、土星、木星、火星、太陽、金星、水星、月、そして上昇宮(アセンダント)が、順番に各カクシャを支配します。このカクシャという分割方法は、主にアシュタカヴァルガという技法の中で使われます。アシュタカヴァルガは、惑星の運行、つまりトランジットが、私たちにどのような影響を与えるかを判断するための複雑な計算方法です。特定の星座、あるいは特定のハウスと呼ばれる人生の領域において、運行中の惑星が良い影響を与えるか、悪い影響を与えるかを予測するために用いられます。アシュタカヴァルガの計算では、それぞれの惑星がどのカクシャに位置しているかが重要になります。各惑星は、特定のカクシャに位置すると、定められた点数を持ちます。そして、その点数を合計することで、トランジットの影響度を測ることができるのです。例えば、合計点が高い場合は、その惑星が運行する期間は良い影響を受けやすく、逆に合計点が低い場合は、注意が必要な期間と判断できます。つまり、カクシャはアシュタカヴァルガという技法の中で、惑星の吉凶を判断するための重要な指標となるのです。
