西洋占星術における十分角

星占いを知りたい
先生、『十分角』っていう占星術の用語がよくわからないんです。教えていただけますか?

西洋占星術研究家
いいかい? 円を十等分した36度の角度のことだよ。惑星同士がこの角度で結ばれていると、才能や適性みたいなものが現れるとされているんだ。

星占いを知りたい
なるほど。じゃあ、ぴったり36度じゃなくても、だいたいそのくらいの角度なら十分角になるんですか?

西洋占星術研究家
いい質問だね。厳密には36度だけど、実際には1度から2度くらいの誤差は許容されるよ。これを『許容度』っていうんだ。
Decileとは。
西洋の星占いには『デシル』という言葉があります。これは、円(360度)を十個に分けたときにできる36度の小さな角度のことを指します。このデシルは、星と星が持つ角度に関係する才能や適性について示すもので、その影響範囲は1度から2度とされています。
十分角とは

人は夜空に輝く星々の配置に、自らの運命を読み解こうとしてきました。西洋占星術では、星々の位置関係、すなわち天体同士が空でどれだけの角度を成しているか、に特別な意味をます。この角度のことをアスペクトと呼び、様々な角度にそれぞれの意味が与えられています。
よく知られた主要なアスペクトとしては、二つの天体が全く同じ位置、つまり0度の角度にある合(コンジャンクション)、真反対に位置する180度の衝(オポジション)、直角に位置する90度の矩(スクエア)などがあります。これらの主要なアスペクトは、人の性格や運命に強い影響を与えると考えられています。
一方、あまり知られていないけれど、人の運命を紐解く上で重要な意味を持つアスペクトも数多く存在します。その一つが十分角です。十分角とは、円を十等分した36度の角度で、二つの天体がこの角度を成している状態を指します。主要なアスペクトほど強い影響力を持つわけではありませんが、十分角は人の隠れた才能や潜在能力を表すと言われています。
例えば、ある人の出生図において、知性を象徴する水星と芸術性を象徴する金星が36度の十分角を成していたとします。これは、その人が芸術分野で特別な才能を発揮する可能性、あるいは芸術を通して知性を表現する潜在能力を持っていることを示唆しています。このように、十分角は人の秘めたる力、まだ開花していない可能性を読み解くための重要な鍵となります。主要なアスペクトだけでなく、十分角のような隠れたアスペクトにも目を向けることで、より深く多角的に自分自身や他者を理解することができるでしょう。
| アスペクト名 | 角度 | 意味 | 影響力 |
|---|---|---|---|
| 合(コンジャンクション) | 0度 | 二つの天体が同じ位置 | 強い |
| 衝(オポジション) | 180度 | 二つの天体が真反対の位置 | 強い |
| 矩(スクエア) | 90度 | 二つの天体が直角の位置 | 強い |
| 十分角 | 36度 | 隠れた才能や潜在能力 | 弱い |
適性と才能

人は生まれながらに様々な持ち味や得意なことを持っています。西洋占星術では、それを天体の配置から読み解くことができます。特に、二つの天体が特定の角度を成すとき、そこに特別な意味をます。その角度の一つに「十分角」があり、これは二つの天体の力を調和的に組み合わせ、その人の才能や適性を示すとされています。十分角は、それぞれの天体が持つ力をスムーズに連携させ、相乗効果を生み出す特別な角度なのです。
例えば、知性や思考力を表す水星と、美意識や社交性を象徴する金星が十分角を成している場合を考えてみましょう。水星は言葉やコミュニケーションを巧みに操る力を、金星は魅力や調和を生み出す力を与えます。この二つの天体が十分角で結ばれると、持ち前の知性を活かして美しく洗練された言葉で表現する能力が花開くでしょう。まるで生まれながらに弁が立ち、人々を魅了する話し方をする才能に恵まれているかのように見えるかもしれません。
また、行動力や情熱を表す火星と、芸術性や感性を象徴する金星が十分角を成している配置も興味深い例です。火星は物事を始める力や情熱を燃やす力を、金星は創造性や美的感覚を与えます。この二つの力が十分角で調和すると、芸術的な表現活動において、持ち前の情熱と行動力を遺憾なく発揮するでしょう。豊かな感性とたゆまぬ努力で、素晴らしい作品を生み出す才能が開花するかもしれません。このように、十分角は個々の天体が持つ意味だけでなく、二つの天体が織りなす組み合わせによって、様々な才能や適性を示してくれるのです。
| 天体の組み合わせ | 意味 | 才能/適性 |
|---|---|---|
| 水星 × 金星 | 知性と美意識の調和 | 洗練された言葉遣い、人々を魅了する話し方 |
| 火星 × 金星 | 行動力と芸術性の調和 | 芸術的表現、情熱と行動力の発揮 |
許容度

星の世界を紐解く占星術では、天体同士の位置関係が重要視されます。この位置関係は角度で表され、特別な意味を持つ特定の角度をアスペクトと呼びます。アスペクトには様々な種類がありますが、例えば、天体同士が36度の角度を成す場合、これを十分角と呼びます。しかし、実際の天体の動きは複雑であり、ぴったり36度になることは稀です。そこで、占星術では、多少のずれを許容する考え方を取り入れています。この許容範囲のことをオーブと言います。
十分角の場合、オーブは一般的に1度から2度とされています。つまり、二つの天体の角度が35度から37度の範囲内であれば、十分角とみなすのです。このオーブの範囲内であれば、十分角の影響があると解釈されます。とはいえ、オーブの範囲内でも、その影響力は一定ではありません。中心となる角度である36度に近ければ近いほど、その影響力は強いと考えられています。逆に、オーブの限界である35度や37度に近づくにつれて、その影響力は弱まっていきます。35度ちょうどや37度ちょうどであれば、ぎりぎり十分角とみなせますが、その影響力は限定的と言えるでしょう。
オーブは、占星術が持つ柔軟性を示す重要な要素です。天体の位置関係を厳密に解釈するのではなく、ある程度の幅を持たせることで、複雑な星の影響を読み解こうとするのが占星術の奥深さの一つと言えるでしょう。このオーブの概念を理解することで、より深く占星術の世界を探求することが可能になります。
| アスペクト名 | 角度 | オーブ | 影響力 |
|---|---|---|---|
| 十分角 | 36度 | ±1-2度 | 中心角度に近いほど強い |
実例

例えば、ある人の生まれた時の星の配置図を見てみましょう。その図の中で、太陽と月が36度離れているとします。西洋占星術では、太陽はその人の本質や人生における目的を象徴し、月は感情や内面の世界を表すとされています。
これらの天体が十分角と呼ばれる特定の角度で位置している時、それは特別な意味を持ちます。太陽と月が十分角を成している場合、その人は自分の感情を表現する力や、感情を人生の目標に結びつける力に恵まれていると考えられます。
具体的な例を挙げると、豊かな表現力を持つ芸術家や、人々の心に寄り添い支える相談員などが挙げられます。これらの職業は、感情を理解し、表現する能力が求められます。十分角を持つ人は、まさにそのような能力を持っている可能性が高いのです。
また、別の例として、太陽と水星が十分角を成している場合を考えてみましょう。水星は知性やコミュニケーションを司る星です。この配置の人は、知的な活動を通して自己表現をする才能に恵まれていると解釈できます。例えば、作家や教師、研究者といった職業が適しているかもしれません。
このように、十分角は具体的な才能や適性を示すだけでなく、その人が人生においてどのような方向へ進むべきかを示唆する重要な要素となり得るのです。生まれ持った星の配置は、私たちの人生に様々な可能性を秘めていると言えるでしょう。
| 天体 | 象徴 | 十分角の場合 | 例 |
|---|---|---|---|
| 太陽 | 本質、人生における目的 | 感情を表現する力、感情を人生の目標に結びつける力に恵まれている | 芸術家、相談員 |
| 月 | 感情、内面の世界 | ||
| 太陽 | 本質、人生における目的 | 知的な活動を通して自己表現をする才能に恵まれている | 作家、教師、研究者 |
| 水星 | 知性、コミュニケーション |
他の要素との関連性

才能や可能性を示す星回りの一つである十分角は、それ単体で意味を持つだけでなく、他の星回りとの関係性の中で見ると、より深く詳しい分析ができます。
生まれた時の星の配置を示すホロスコープ上で、それぞれの星が位置する場所、つまりハウスは、人生における様々な分野を表します。仕事や人間関係、お金など、様々な分野に対応するハウスがあり、十分角を持つ星がどのハウスにあるかによって、その才能が活かされる分野が分かります。例えば、コミュニケーションを司る場所に十分角を持つ星があれば、話す才能や書く才能が仕事で活かされる可能性が高いと読み解けます。
また、黄道十二宮と呼ばれる星座宮も重要です。星座宮は、個人の性格や行動パターンに影響を与えると考えられています。十分角を持つ星がどの星座宮にあるかによって、才能の具体的な現れ方が分かります。情熱的な星座宮に星があれば、その才能を周囲を巻き込むような形で表現するかもしれませんし、冷静な星座宮にあれば、緻密で計画的な方法で才能を発揮するかもしれません。
さらに、星同士の角度も考慮する必要があります。星同士が作る角度は、アスペクトと呼ばれ、互いの影響を示します。調和的な角度は、才能をスムーズに発揮できることを示唆し、困難な角度は、才能を発揮する上で乗り越えるべき試練を示唆します。例えば、十分角を持つ星に、調和的な角度を形成する星があれば、周囲の協力が得やすく、才能を伸ばしやすい環境にあると解釈できます。一方で、困難な角度を形成する星があれば、才能を発揮する上で困難に直面する可能性も示されますが、同時に、その困難を乗り越えることで大きく成長できる可能性も示唆されます。このように、十分角は他の要素との繋がりの中で解釈することで、より正確で具体的な情報が得られるのです。
| 要素 | 説明 | 詳細 |
|---|---|---|
| ハウス | 人生における様々な分野を表す | 仕事、人間関係、お金など。十分角を持つ星があるハウスはその才能が活かされる分野 |
| 黄道十二宮(星座宮) | 個人の性格や行動パターンに影響を与える | 十分角を持つ星がある星座宮によって才能の具体的な現れ方がわかる(例:情熱的な星座宮→周囲を巻き込む、冷静な星座宮→緻密で計画的) |
| アスペクト(星同士の角度) | 星同士の影響を示す | 調和的な角度→才能をスムーズに発揮できる、困難な角度→才能発揮の試練、周囲の協力、困難克服による成長 |
活用方法

生まれ持った星々の配置を読み解くことで、自分自身の隠れた力や得意なことを知ることができます。その手がかりとなるのが、「十分角」と呼ばれる特別な角度です。生まれた時の星の配置図、つまり出生図を作成し、この十分角を作っている星を探し出すことから始めましょう。
十分角を形作っている星は、あなたの中に眠る才能や可能性を示唆しています。例えば、知性を司る星と創造性を司る星が十分角を結んでいれば、独創的なアイデアを生み出す才能を持っているかもしれません。また、行動力を司る星とコミュニケーションを司る星が十分角を結んでいれば、人々をまとめ上げて目標達成へと導く力に恵まれているかもしれません。このように、十分角を形成する星の意味を理解することで、自分がどのような才能を持っているのか、どのような分野で活躍できるのかが見えてくるでしょう。
ただし、十分角だけで全てがわかるわけではありません。星々の間には、調和的な角度だけでなく、困難や葛藤を示す角度も存在します。もし、あなたの十分角が、そのような困難を示す角度と関わっている場合は、才能を開花させるための道のりに、いくつかの試練が待ち受けていることを意味します。しかし、それは決して悪いことではありません。試練を乗り越える過程で、あなたは大きく成長し、より強固な土台を築くことができるからです。どのような試練が予想されるのか、そしてどのように乗り越えていけばいいのかを知ることは、才能を最大限に発揮するために非常に重要です。
十分角は、自分自身を深く理解し、より充実した人生を送るための羅針盤となるでしょう。星々のメッセージに耳を傾け、自分の中に眠る可能性を呼び覚ましてみてください。
| 項目 | 説明 |
|---|---|
| 十分角 | 出生図において、特定の角度を持つ星の配置。才能や可能性を示唆する。 |
| 十分角を形成する星の意味 | 個々の才能や得意分野を示す。 例:知性と創造性の星が十分角 → 独創的なアイデアを生み出す才能 例:行動力とコミュニケーションの星が十分角 → リーダーシップ |
| 十分角と困難な角度の関わり | 才能開花のための試練を示唆する。試練を乗り越えることで成長と強固な土台を築くことができる。 |
| 十分角の意義 | 自己理解と充実した人生のための羅針盤。 |
