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アスペクト

コントラパラレル:占星術における隠れたつながり

星の動きを読み解く学問である西洋占星術では、太陽の通り道である黄道上に位置する天体の配置を重要視します。天体同士がどのような角度を成しているかによって、互いの影響や作用を判断するのです。しかし、占星術の世界は平面上の配置だけで全てを語り尽くせるほど単純ではありません。天体の配置をより立体的に捉えるためには、赤緯という概念を理解する必要があるのです。赤緯とは、天の赤道から北もしくは南へどれだけ離れているかを示す角度のことです。地球を南北に分ける緯度と同じように、天球上での天体の位置を南北方向で示すのが赤緯です。黄道は太陽の通り道ですが、惑星は必ずしも黄道上にぴったりと沿って運行しているわけではありません。それぞれの惑星は、黄道に対して少し北に寄ったり、南に寄ったりしながら運行しています。このため、黄道上で同じ位置に見えても、赤緯が大きく異なれば、実際には宇宙空間で大きく離れている可能性があるのです。赤緯を理解することで、より正確な天体の位置関係を把握できます。例えば、黄道上では遠く離れた位置にあるように見える二つの惑星が、赤緯では非常に近い位置にある場合があります。これをコントラパラレルと呼びます。コントラパラレルは、黄道上の位置関係だけでは分からない、隠れた惑星の繋がりを示してくれるのです。コントラパラレルにある惑星は、互いに強く影響し合い、特別な意味を持つと考えられています。まるで、見えない糸で結ばれているかのように、互いの力を及ぼし合うのです。このように、赤緯という概念は、西洋占星術において深い洞察を得るための重要な鍵となります。赤緯を理解することで、天体の配置をより立体的に捉え、複雑な惑星同士の関係性をより深く理解することができるのです。黄道上の位置関係だけでなく、赤緯にも注目することで、星々が織りなす物語の奥深さをより一層感じることができるでしょう。
アスペクト

パラレル:惑星の協調性

星空を読む占星術では、天体の位置関係がとても大切です。惑星たちが織りなす関係性を理解するために、黄道だけでなく赤緯も重要な手がかりとなります。赤緯とは、天の赤道を基準にして、星が南北にどれだけ離れているかを示す角度のことです。この赤緯を利用して、惑星同士の特別なつながりを探ることができます。二つの惑星が同じ度数で、かつ同じ南北方向に位置するとき、パラレルと呼ばれる配置が生まれます。これは、二つの惑星がまるで手を取り合うように、同じ高さに並んで輝いている状態です。許容範囲は1度以内とされ、この狭い範囲に収まっている惑星たちは、互いに共鳴し合い、協調性を発揮すると考えられています。パラレルは、二つの惑星の力を強め合う作用があります。例えば、創造性を象徴する星と行動力を象徴する星がパラレルを形成する場合、その人の創造的な表現活動はより活発になり、具体的な形となって現れやすくなります。また、知性を象徴する星とコミュニケーションを象徴する星がパラレルを形成すれば、知的な会話や情報伝達がスムーズになり、学びや教えの能力が高まると解釈できます。逆に、困難や試練を象徴する星同士がパラレルを形成する場合は、その影響力がより強調されると解釈されます。それぞれの星が持つ課題や試練が重なり、より大きな困難として現れる可能性も考えられます。しかし、これは同時に、乗り越えるべき課題が明確になり、成長の機会を与えられると捉えることもできます。パラレルは、星々の力を増幅する特別な配置であり、その意味合いを読み解くことで、より深く星からのメッセージを受け取ることができるのです。
星の位置

見合う星座:占星術における相対性

人は生まれ持った性質を持ちますが、星占いでは、黄道と呼ばれる太陽の通り道にある十二の星座もそれぞれ違った性質を持っていると考えます。そして、ある星座と別の星座の間には特別な結びつきがあるとされています。その一つに「向き合う星座」というものがあります。これは、天の道筋を輪に見立てた時、中心から見てちょうど反対側に位置する星座同士のことです。まるで鏡合わせのように、天球上で対称の位置にあることから、互いに影響を及ぼし合っていると考えられています。例えば、春の星座であるおひつじ座は、実りの秋の星座であるてんびん座と向き合っています。おひつじ座は、勢いがあり、自ら進んで行動する性質を持つ星座です。一方、てんびん座は、バランス感覚に優れ、調和を大切にする星座です。一見すると全く異なる性質ですが、おひつじ座の行動力は、てんびん座のバランス感覚によって整えられ、てんびん座の調和への意識は、おひつじ座の行動力によって実現されるのです。また、おうし座としし座、ふたご座と乙女座のように、隣り合わない星座同士が向き合っている場合もあります。これらの星座の間にも、見えない糸で結ばれたような不思議な関係性が存在します。例えば、五感を大切にするおうし座と自己表現豊かなしし座。おうし座は、しし座の表現力を通して自分の感覚を世界に伝え、しし座はおうし座の確かな感覚を通して表現をより豊かにします。このような星座同士の関係は、大昔の星占いの大家であるプトレマイオスも注目していました。彼は、向き合う星座に星がある時、互いに特別な力を及ぼし合うと述べています。星座の力が響き合い、より強まるという意味です。向き合う星座の関係性を理解することは、自分の星を読む上で、そして人との関わりを考える上で、大切な手がかりとなるでしょう。
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コントラパラレル:天体間の隠れた関係

星空を理解するための地図作りには、様々な方法があります。太陽の通り道である黄道を基準にした黄道座標系は、よく星占いを作る際に使われます。生まれた時の惑星の配置を把握するのに便利だからです。しかし、天体の南北の位置関係をより正確に知るには、赤緯という別の座標系が必要になります。赤緯は、地球の赤道を宇宙に広げた、天の赤道を基準に考えます。地球の赤道を0度として、北極星の方へ90度、南極点の方へ90度まで測ります。北半球にある星はプラスの値、南半球にある星はマイナスの値で表されます。例えば、ある星が北に20度の方向に見えるとすると、その星の赤緯は+20度になります。反対に、南に15度の方向に見える星の赤緯は-15度です。この赤緯という考え方は、星同士の特別な関係、「コントラパラレル」を理解する上でとても重要です。コントラパラレルとは、二つの星が黄道座標系では異なる位置にあっても、赤緯の絶対値が等しい場合に成立します。例えば、ある星が北に20度、別の星が南に20度の位置にあると、これらの星はコントラパラレルとなります。黄道座標系上では遠く離れていても、赤緯が同じであるため、地球から見ると南北方向に同じ角度で見えるのです。このように、赤緯を用いることで、黄道座標系だけでは分からない、星同士の隠れた関係性が見えてきます。コントラパラレルにある星は、互いに影響を与え合うと考えられており、星占いの解釈において重要な意味を持ちます。
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