技法 逆行で見る過去: コンバース占星術
夜空を見上げると、星々は東から西へと規則正しく動いているように見えます。しかし、時折、この動きに逆らうように、西から東へと移動しているように見える星があります。これを「逆行」と呼びます。もちろん、実際には星が逆向きに動いているわけではありません。これは、地球とそれぞれの星との相対的な位置関係の変化によって引き起こされる、いわば目の錯覚なのです。太陽と月は常に東から西へと動き、逆行することはありません。しかし、水星、金星、火星、木星、土星、天王星、海王星、冥王星といった他の星々は、周期的に逆行運動を見せます。この逆行は、占星術において特別な意味を持ちます。逆行している星の影響下にある期間は、その星が司る事柄において停滞感や見直し、再評価といったテーマが強調されると考えられています。例えば、コミュニケーションを司る水星が逆行している時期は、連絡の行き違いや交通機関の遅延などが起こりやすいと言われています。また、愛と美を司る金星が逆行する時期には、過去の恋愛関係を見つめ直したり、価値観が変化したりする可能性があります。こうした逆行の概念をさらに深めたのが、「コンバース占星術」です。通常の占星術は、星の動きから未来を予測しようとしますが、コンバース占星術は過去に焦点を当てます。生まれたときから時間を遡り、過去の星の配置を分析することで、現在の自分自身を形成した出来事や影響を理解しようと試みます。人生を振り返り、過去の出来事に新たな光を当てることで、自己理解を深め、未来への指針を見つけることができるのです。
