天文学 アルベド:天体の反射率
天体には、自ら光を放つ星と、星の光を反射して輝く惑星や衛星、小惑星などがあります。これらの天体がどれほど効率よく光を反射するのかを示す尺度が、反射率です。反射率は、アルベドとも呼ばれ、0から1までの数値で表されます。1に近い値を持つ天体は、反射率が高く、多くの光を反射します。例えば、新雪は太陽の光をほとんど反射するため、白く輝いて見えます。新雪のアルベドは0.8から0.9と非常に高い値です。同様に、雲も高い反射率を持っています。地球全体の平均アルベドは約0.3で、これは地球に降り注ぐ太陽光の3割が宇宙空間に反射されていることを意味します。一方、アルベドが0に近い天体は、反射率が低く、光を吸収しやすいため、暗く見えます。例えば、炭はほとんどの光を吸収するため、黒く見えます。炭のアルベドは0.04程度です。同様に、アスファルトのアルベドも0.1程度と低いため、真夏のアスファルトは非常に熱くなります。天体のアルベドは、その表面の物質や大気の組成によって決まります。例えば、氷や雪で覆われた天体はアルベドが高く、岩石や土で覆われた天体はアルベドが低くなります。また、大気が厚い天体も、雲や大気中の粒子によって光が散乱されるため、アルベドが高くなる傾向があります。このアルベドの値は、様々な分野で重要な役割を果たしています。地球温暖化の研究では、地球のアルベドの変化が気候にどのように影響するかを理解するために利用されます。また、宇宙探査では、遠く離れた天体の表面組成や大気の有無を推定するために、アルベドの測定が役立ちます。アルベドは宇宙の謎を解き明かす鍵の一つと言えるでしょう。
