アラビア語

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星の位置

太陽の中心で輝く惑星:カズィミ

「カズィミ」とは、遠い昔のアラビアの言葉で「太陽の中心」という意味です。空に輝く星々の動きを読み解く占星術の世界で使われる特別な言葉で、ある惑星が太陽と非常に近い位置に来た時の状態を指します。どれくらい近いかというと、太陽とその惑星の角度の差が17分以内という、本当にわずかな範囲です。ところで、惑星が太陽に近づくというと、「燃焼」という現象を思い浮かべる人もいるかもしれません。「燃焼」とは、惑星が太陽からある一定の角度範囲内に近づいた時に、その惑星の力が弱まってしまう現象です。しかし、カズィミはこれとは全く違います。燃焼とは反対に、カズィミの状態にある惑星は、太陽の力によってその影響力が強まると考えられています。例えるなら、太陽の光を浴びてきらきらと輝く宝石のようです。宝石は、太陽の光を受けることで本来持っている美しさをより一層輝かせます。同じように、惑星もカズィミによって特別な力を得て、その影響力を増大させるのです。カズィミは、惑星にとって特別な恩恵と言えるでしょう。太陽という宇宙の中心で輝く星の力と、惑星の力が一体となることで、より大きな力を発揮すると考えられています。このことから、カズィミは占星術師にとって重要な意味を持つのです。
星の位置

アナビバゾン:月の北交点

天球上で太陽の通り道(黄道)と月の通り道が交わる点を交点と呼びます。この交点は二つあり、月が南から北へ通過する点を北交点、北から南へ通過する点を南交点といいます。この北交点を、古代アラビアの星読みたちは「アナビバゾン」と名付けました。アナビバゾンは、天球上の架空の点であり、実際にそこに星があるわけではありません。しかし、西洋占星術では、このアナビバゾンが人の運命や人生における選択に大きな影響を与えると考えられています。星占いでよく耳にする「ドラゴンヘッド」または「ラーフ」も、このアナビバゾンと同じものを指す言葉です。まるで竜が天を昇っていくように見えることから、その頭部に当たる北交点をドラゴンヘッドと呼ぶようになったといわれています。アナビバゾンは、魂の成長や目指すべき方向を示すと考えられています。過去世で積み重ねてきた経験や才能を表す南交点に対し、アナビバゾンは未来への希望や可能性を象徴しています。そのため、アナビバゾンの位置する星座やハウスは、その人がどのような分野で成長できるのか、どのような経験を積むべきなのかを知るための手がかりとなります。自分の生まれ持った性質や才能を活かし、魂の成長を促すためには、アナビバゾンが示す方向へと進んでいくことが重要です。それは必ずしも容易な道のりではないかもしれません。しかし、試練や困難を乗り越えることで、真の成長と魂の進化を経験できるとされています。アナビバゾンは、私たちに人生の羅針盤を提供してくれる、大切な道しるべなのです。
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